学術情報

非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は疼痛管理を目的として小動物臨床において多用される薬のひとつである。本記事では、炎症が生じるしくみとNSAIDが炎症に効くしくみについて紹介する。またNSAIDが引き起こす可能性のある副作用と薬物相互作用、さらには各種NSAIDの特徴について紹介する。

こうべ動物共生センターは2021年10月にオープンした、できたてホヤホヤのセンターです。 このセンターは、神戸市の『しあわせの村』というすべての人が健康で文化的な活動に参加できるように整備されたSDGs視点を持ったソーシャルインクルージョン（社会的包摂）を目指す複合施設の中にあります。 このしあわせの村は赤い屋根に白い壁の南欧風の建物が建ち並んでいる、おしゃれで緑あふれる施設です。 村内には、温泉やキャンプ場、スポーツ施設、乗馬教室、アスレチックなどなど、すべての人が楽しめる施設がもりだくさん！ そんな村の一角に、元はローンボウルズ場の管理施設だった建物を、改装して作られたのがこうべ動物共生センターです。

街中で見かけることのある盲導犬の存在はご存じでしょう。それでは、聴導犬、介助犬の存在、身体障害者補助犬法という法律の存在はご存じでしょうか。今回は、獣医師との関係の深い、身体障害者補助犬法（以下「本法」とする。）について説明します。本法は、平成14年に制定されています。 　本法の第1条の目的には、「この法律は、身体障害者補助犬を訓練する事業を行う者及び身体障害者補助犬を使用する身体障害者の義務等を定めるとともに、身体障害者が国等が管理する施設、公共交通機関等を利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することができるようにするための措置を講ずること等により、身体障害者補助犬の育成及びこれを使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化を図り、もって身体障害者の自立及び社会参加の促進に寄与することを目的とする。」と定められています。身体障害者が、補助犬とともに社会に進出する場面で、できるだけ不都合がないようにとの配慮がなされているのです。

輸血を実施する前に、血液検査や交差適合試験（クロスマッチテスト）など数多くの検査を行う必要があるが、血液型検査もその一つである。 血液型不適合輸血では、重篤な溶血性の輸血副反応が生じる可能性があり、血液型検査とクロスマッチテストの両検査を併せてより正確に輸血適合検査を行うことが重要となる。

動物は法律上「物」か？と問われたら、そうですという答えにならざるを得ないでしょう。命のある動物ですが、法律上は「物」に含まれてしまうのです。法律の世界では、権利を想定し、その権利の主体と権利の客体に分けて構成しています。権利の主体となれるのは人です（もっとも、法律上の概念である株式会社等の法人も権利の主体になれます）。人以外の物質等は権利の客体になると考えられています。権利の客体は、動かない不動産と動かせる動産に分けられます。動物は、動かせますから「動産」に該当することになります。

京都動物愛護センターには、前回ご紹介したように様々な特色がありますが、取材をさせていただき、特にボランティア制度が大変興味深いものでした。 自身も、動物病院勤務時や学生時代に動物福祉や愛護活動に携わった時、ボランティアさんに関しては様々な経験をしました。 もちろん良いこともありますが、時にはトラブルが起こることも…。 また、ボランティアさんを活動要員として実際の施設での活動に参加してもらうとトラブルが起こりやすい傾向にあるので、ボランティアの募集はしないという団体さんもいらっしゃいます。 戦力にもなり得るけれども、トラブルが起こってしまうこともある諸刃の剣なボランティア制度…。 京都動物愛護センターでは特徴的な取り組みのもと、非常に円滑にボランティア活動を運営している印象を受けました。 その秘訣、気になりますよね…！

伴侶動物医療において急性下痢症は、遭遇する機会の多い消化器疾患である。急性下痢症には多くの原因があり、また様々な要因が関与することから、その原因が特定できない場合も少なからず存在する。そのような場合の治療としては対症療法を行うことになる。その治療選択肢としては経口の止瀉薬が挙げられるが、様々な理由により経口薬の投与が困難な症例も少なくない。 そこで本稿においては、急性下痢症の病態の概説に加え、注射用止瀉剤であるディアバスター®注の薬理作用および臨床的有効性と使用法について紹介する。

京都動物愛護センターは都道府県と政令都市が共同して設置・運営する全国初の動物愛護管理施設です。 平成27年4月1日からこれまでの家庭動物相談所に代わり、京都府と京都市が共同して設置・運営しています。

ペットホテルやトリミングのサービスを行っている動物病院も多いことでしょう。今回は、これらのサービスについての法的な義務と、裁判例にみられる過失（注意義務違反）の内容について触れてみようと思います。

道端で見つけた可愛らしい猫に餌を与えたくなる衝動に駆られた経験を持つ人もいることでしょう。近寄ってくる猫が可愛く、私が餌をあげなかったらこの猫は飢え死にしてしまうのではないかと思う人もいるでしょう。ところが、餌を与えられた猫が、繁殖を繰り返すなどして多数に増えたり、それらの猫の鳴声、糞尿、悪臭などにより近隣住民に被害をもたらすことがあります。餌を与えている人に対して、責任を問おうとすると、私が飼っている猫ではないから、責任を取る必要はないと拒否されてしまう。室内飼いされていない猫による損害を被った人の救済を、どのように行うかという問題も生じます。そこで、無責任に猫に餌を与える人に対する規制について、法令と裁判例を概観してみます。