慢性腎臓病の猫の腎臓における尿細管周囲の毛細血管希薄化の評価
猫の慢性腎臓病において低酸素が関与していることは報告されているが、低酸素の原因となりうる毛細血管密度の減少が実際に生じており病態に関与していることは証明されていない。本研究では、IRISステージの進行と毛細血管密度の減少との関係は証明できなかったが、慢性腎臓病がある場合には毛細血管サイズも面積も減少しており、それらがクレアチニン濃度、線維化、炎症、糸球体硬化の組織スコアと負の相関があることを証明しており、これらが猫の慢性腎臓病の病態に強く関与している可能性を示唆している。
- 執筆者
- 監訳:水野 拓也(山口大学・日本小動物医療センター)