学術情報

これまでの本コラムにおいて、腸内細菌叢の構成異常である腸内ディスバイオーシスと病気との関わりについてご紹介してきました。世の中には、腸内ディスバイオーシスを標的としたさまざまな治療法がありますが、今回は、最もフィジカルで、最もプリミティブで、最もフェティッシュな、プロバイオティクスとプレバイオティクスについてご紹介していきたいと思います！！（お気付きの方も多いかと思いますが、Netflix「地面師たち」を見たばかりの筆者が、少しばかり背伸びをして、ハリソン山中になりきって使ってみたかった言葉です…。まだ視聴されていない方は是非「地面師たち」をご覧ください！！）

本研究は、20頭と限られた頭数ではあるが、5年間にもわたり、一種類の高Na食が高齢猫において心臓や腎臓などを含め全身的にどのような影響をおよぼすかについて、コントロール群と無作為化盲検試験として前向きにモニターしたという点で非常に評価されるべき研究である。

このコラムでは、致死率が高く有効なワクチンも治療薬のなかった猫伝染性腹膜炎（FIP）の最近の治療法を解説してきました。これまでを復習してみましょう。4回目はモルヌピラビル、5回目はGS-441524（レムデシビル）の抗ウイルス効果のメカニズムを解説しました。6回目は臨床におけるモルヌピラビルの投与方法について、ヒトの場合と比較しながら考察しました。今回はGS-441524（レムデシビル）の投与方法についての記事です。

麻酔中の合併症として呼吸抑制は非常に一般的であり、呼吸が止まっていて当たり前、という認識の方もいるだろう。もちろん、自発呼吸を維持して管理することも可能だが、高齢動物への全身麻酔、麻薬性オピオイドの使用、腹腔鏡手術など人工呼吸管理が必須となる全身麻酔は少なくない。日本国内では多くの病院が人工呼吸器を常備しているため、麻酔中の呼吸管理＝人工呼吸器という方も多いと思う。今回は、麻酔中の人工呼吸管理を中心に呼吸管理の基本について解説する。

前回に引き続き、今回も腸内細菌叢のお話しをさせていただきたいと思います。今回は、巷でよく耳にする「ディスバイオーシス（dysbiosis）」について深掘りしていきたいと思います。

犬のクッシング症候群の診断は、まず症状と身体検査所見から疑うことに始まり、臨床病理学的検査所見が診断を支持するものかどうかを確認した上で、内分泌検査で確定するという流れになります。内分泌検査には、低用量デキサメタゾン抑制試験（LDDST）、ACTH刺激試験、そして尿中コルチゾール/クレアチニン比（UCCR）が含まれますが、この3つの検査にはそれぞれ利点と欠点があります。各検査の特徴を理解して使いこなすことで、多様な臨床像を示すクッシング症候群を的確に診断することが可能になると考えられます。

このコラムの4回目と5回目は猫伝染性腹膜炎（FIP）の治療薬として使われているモルヌピラビルとGS-441524（レムデシビル）の抗ウイルス効果のメカニズムについて解説しました。6回目はモルヌピラビルの使用方法、とくに投与期間に焦点をあてることにします。その前に、モルヌピラビルとGS-441524（レムデシビル）のまとめをご覧ください。1分間で読めます。

猫は犬と異なり、病院へ連れて来るのが難しい場合やそれ自体が猫にとって大きなストレスになる場合も少なくない。尿蛋白クレアチニン比と尿比重の測定には、穿刺尿を用いるのが理想であるが、日常の臨床で難しい場合には、自宅での自然排尿サンプルを用いるのも一つの方法である。

前回に引き続き、今回も腸内細菌叢のお話しをさせていただきたいと思います。今回は、巷でよく耳にする「ディスバイオーシス（dysbiosis）」について深掘りしていきたいと思います。

猫の慢性腎臓病において低酸素が関与していることは報告されているが、低酸素の原因となりうる毛細血管密度の減少が実際に生じており病態に関与していることは証明されていない。本研究では、IRISステージの進行と毛細血管密度の減少との関係は証明できなかったが、慢性腎臓病がある場合には毛細血管サイズも面積も減少しており、それらがクレアチニン濃度、線維化、炎症、糸球体硬化の組織スコアと負の相関があることを証明しており、これらが猫の慢性腎臓病の病態に強く関与している可能性を示唆している。