犬猫のうんちコラム [第17回] うんちの中の「もう一つの主役」 ~胆汁酸という名の縁の下の力持ち~

犬猫のうんちコラム [第17回] うんちの中の「もう一つの主役」 ~胆汁酸という名の縁の下の力持ち~

著者について

大森 啓太郎(東京農工大学)

大森 啓太郎(東京農工大学)

略歴

2007年10月-2012年3月 東京農工大学大学院共生科学技術研究院 助教
2012年4月-2020年5月 東京農工大学大学院農学研究院 講師
2019年 アジア獣医内科学専門医(内科)
2020年6月 東京農工大学大学院農学研究院 准教授
2024年8月 東京農工大学小金井動物救急医療センター 教授

はじめに

前回のコラムでは、腸内環境の「見えない支配者」としてバクテリオファージをご紹介しました。腸内細菌叢という舞台の背後に、さらなる制御レイヤーが存在するというお話でした。今回は視点を変え、腸内細菌叢が産生する「代謝産物」の一つである「胆汁酸」に焦点を当てたいと思います。
胆汁酸は、これまでのコラムでもディスバイオーシスの説明Peptacetobacter(旧称Clostridiumhiranonisの話題の中で繰り返し言及してきた物質です。今回は、この胆汁酸を腸内細菌叢の重要な代謝産物として正面から取り上げるとともに、近年注目されつつある「胆汁酸吸着薬(Bile Acid Sequestrants: BAS)」という治療戦略をご紹介します。