犬の難治性てんかんに対する補助療法としてのカンナビジオールの探索的試験

犬の難治性てんかんに対する補助療法としてのカンナビジオールの探索的試験

著者について

監訳:伊藤大介(Texas A&M University)

監訳:伊藤大介(Texas A&M University)

略歴

2003年 日本大学生物資源科学部獣医学科卒業
2008年 東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程を修了し博士を取得
(大学院在籍中の2004~2007年にはCambridge University, Queen’s Vet Schoolにおいて客員研究生として研究および臨床に従事)
2008年 日本大学生物資源科学部助手、助教、専任講師、准教授、教授
2024年-現在 Texas A&M University, Associate Professor, Veterinary Neurology and Neurosurgery

犬猫における脳および脊髄腫瘍をはじめとする神経外科や画像診断を専門とし、Texas A&M Universityにおいて手術用顕微鏡を用いたこれらの手術を確立するために招聘される。その他、MRI診断、脳脊髄液(CSF)の動態解析およびCSF循環障害(水頭症、脊髄空洞症など)、脊髄損傷とその治療など、幅広い分野を専門・研究対象としている。

学位・称号・資格
獣医師、博士(獣医学)
アジア獣医内科学専門医(神経)

犬のてんかんは、従来の抗てんかん発作薬(AED)に抵抗性を示すことが多く、犬の生活の質に影響を及ぼす。カンナビジオール(CBD)には抗けいれん作用があるが、犬のてんかんへの使用に関するエビデンスは限られており、一貫性がみられていない。本前向きパイロット試験は、薬剤抵抗性てんかんの犬にCBDを補助療法として使用した場合の、CBDの治療効果、安全性プロファイル、および生活の質への影響について検討することを目的とした。2~6種類のAEDを併用している難治性てんかんの犬13例を組み入れた。単群での前後比較試験デザインを使用した。CBDを0.5mg/kg BIDから2.5mg/kg BIDまで漸増投与した。主要評価項目は発作頻度の変化とした。副次評価項目は、発作の重症度、群発発作、血液学的検査項目、生化学的検査項目、および飼い主の報告による生活の質(QoL)の変化とした。全体的に発作頻度(中央値)は介入前期間の11(IQR:9~22)から介入後のフォローアップ時には5(IQR:2~13)へと有意に減少した(p=0.02)。特記すべきこととして、61.5%の犬で発作頻度が50%以上減少した。群発発作回数も有意に減少した(p=0.001)。