愛玩動物看護師国家資格

ペットの健康診断は、2013年のTeam HOPE発足により多くの動物病院で重要視されてきています。私自身、動物病院は病気になってから通うだけの場所ではなく、健康な時から通っていただき、健康な時間を少しでも長く、ペットのご家族と一緒に過ごせるように…、というTeam HOPEの理念にとても共感しています。そのために欠かせないのが、ペットの健康診断です。若齢期の健康な時から定期的に健康診断を行い、健康時のデータを蓄積していれば、身体の変化にいち早く気がついてあげる事ができます。

筆者は、地域の中で中核的存在である一次診療施設のくみ動物病院で勤務をする愛玩動物看護師です。当院は、犬猫を中心に飼い主様の大切な動物たちの健康を細やかな気配りと充実した医療をもとにサポートすることをモットーとして、一次診療をはじめ高度眼科診療、皮膚科認定医による診療も行っています。様々な犬猫と接する中に今回のテーマでもある高齢で介護を必要とする患者様も含まれます。 筆者はこの春で臨床経験19年目となりますが、その自身の経験を通し、介護における実情とこれからの課題について触れていきます。あくまでも筆者の一例であり、読んでいただいた皆さんがこの記事を通して、今後どうしていくことでこれからの愛玩動物看護師の活躍の場を広げ、介護で悩んでいる飼い主様や動物たちをサポートし続けていけるかを考えるきっかけにしていただけると嬉しいです。

当院は2020年6月に開業し、現在は獣医師1名、愛玩動物看護師2名が在籍する、地域密着型の小さな動物病院です。来院する動物は犬と猫がほとんどですが、うさぎやフェレットも診察しています。私たちスタッフは、動物の病院に対する恐怖心を最小限に出来るような診療と、アットホームな雰囲気や環境作りを目指しています。

筆者は大学を卒業後10年以上腫瘍科診察にたずさわり、様々な気づきを得てきました。「命」を身近に感じる診療科である腫瘍科における愛玩動物看護師の役割は多岐にわたると考えます。本稿では、そんな気づきを含めた腫瘍科診察における愛玩動物看護師の果たす役割と未来像について述べたいと思います。腫瘍科のように専門診療科に分かれていない動物病院でも、がんの動物が来院することは多いと思いますので、皆様の明日からの実践の一助となれば幸いです。

鹿児島大学共同獣医学部附属動物病院には、13名の愛玩動物看護師（VN）と1名の動物看護助手が勤務しており、外来や入院している動物の看護や診療の補助に日々取り組んでいます。10年前までは当院に勤務している動物看護助手は2～4名でしたが、業務の工夫や働きやすい環境づくりに取り組むことで現在の人数まで増員することができました。

2019年（令和元年）6月、ついに「愛玩動物看護師法」が国会で可決されました。第1回の国家試験が2023年の2月下旬に実施される予定となっており、もうまもなく国家資格を有する最初の動物看護師が誕生します。これから我々動物看護師は、単なる獣医師のサポートとしてではなく、動物看護の専門職として確立された立場で、多岐にわたる業務を行っていく必要があります。 今回は、愛玩動物看護師法の概要、そして国家試験に関して考慮すべき諸問題について解説していきます。

2019年（令和元年）6月、ついに「愛玩動物看護師法」が国会で可決されました。第1回の国家試験が2023年の2月下旬に実施される予定となっており、もうまもなく国家資格を有する最初の動物看護師が誕生します。これから我々動物看護師は、単なる獣医師のサポートとしてではなく、動物看護の専門職として確立された立場で、多岐にわたる業務を行っていく必要があります。 今回は、愛玩動物看護師法の概要、そして国家試験に関して考慮すべき諸問題について解説していきます。