臨床獣医師が押さえておくべき感染症 [第3回] 動物病院スタッフを守るために必要なSFTSの知識(診療編)
前回は「動物病院のスタッフを守るために必要なSFTS(重症熱性血小板減少症候群)の知識(基礎編)」をお送りしました。SFTSの日本における犬猫、ヒトの感染状況、SFTSウイルスの検査、動物病院のスタッフへの感染リスクなどについて解説いたしました。特に、2018年から2023年7月末までに11名の動物病院のスタッフ(獣医療従事者)のSFTS届出事例があり、これらの事例のほとんどはSFTSを発症した犬猫から感染したと考えられているということは、非常に重要であることを強調しました。今回はSFTS疑いの犬や猫が来院し検査の結果陽性であった場合に、具体的にどのような対応を取るべきかについて解説いたします。また、治療薬やワクチンは開発されているのか、などについても言及します。