シェルターメディスンという世界―米国で知られているASVガイドラインとSave Rate 90%について―
近年、獣医学の専門分野のひとつとしてシェルターメディスンという学問が確立され、日本でも少しずつその存在が知られるようになってきた。シェルターメディスンとは、動物収容施設(以下シェルター)という特殊な環境において、収容された動物を管理する上で必要な獣医学を集約した獣医学分野である。主に飼い主のいないホームレスの動物を対象とし、シェルターにおいて動物を集団で適切に管理するための集団獣医学をはじめ、疾病管理や譲渡活動など、シェルター環境に特化した内容が含まれる。