感染症/ワクチン

この原稿を執筆している2022年3月下旬は、第６波に対するまん延 防止等重点措置が解除され、桜の開花宣言も出されて、日本は春に向かって進んでいます。その一方で、第６波の新規感染者数の減少は高止まりしています 。このまま第７波に進まないことを願うばかりです。皆様がこの記事を読まれているときに、日本の新規感染者数はどうなっているのでしょうか。今回は、2022年3月下旬における新型コロナウイルスの犬や猫、その他の動物への感染状況などの新しい知見について学術論文をもとに解説していきます。気軽に読めるような文章を心がけますので、お時間のあるときにゆっくりお読みください。

犬糸状虫症は、予防薬の普及と飼育形態の変化、また環境衛生レベルの向上等によりその発生は減少傾向にあり、小動物臨床において最も予防が普及・浸透した感染症の1つと言えます。しかし、感染源が消滅したわけではなく、軽視できない重要な感染症であることには変わりありません。ミルベマイシン オキシムなどの犬糸状虫症予防薬は、適切に投与すれば確実な予防が可能な優れた薬剤です。その優れた効果を発揮させるためには文字通り「適切に投与する」必要があり、投薬期間と確実な投薬を遵守することが重要なポイントになります。

この原稿を校正している2022年1月上旬、新型コロナウイルスのオミクロン株は感染性は強いが病原性は弱いだろうという評価になっています。日本でも正月を過ぎると新規感染者数が一気に上昇していきました（2022年1月7日：約6000人）。当初から感染力についてはデルタ株よりも4倍強いだろうという報道がありましたが、もしかするとそれ以上の感染力を持っているのかもしれません。オミクロン用のワクチンが必要だという意見が飛び交っていましたが、3回目の接種で有効率が上がるというデータも出始めています。この背景には国際機関としてのWHOや私企業としてのワクチンメーカーなどの思惑が潜んでいるのかもしれません。治療薬については、抗体医療は効果を持たない、抗ポリメラーゼ薬は大丈夫などと言われています。オミクロン株の出現はVIX指数（恐怖指数）を上げ、世界的に株価が大暴落してしまいました。このようにオミクロン株の出現は経済にも大きな影響を与えています。今回は、獣医師としてオミクロン株をどのように考えるべきなのか、診療するうえで気を付ける点は何かについて解説いたします。

2021年8月はお盆のころに豪雨が続きました。今年は台風による被害はほとんどありませんでしたが、梅雨前線の停滞が長雨をもたらしました。幸いなことに今年は大きな地震は起きていません。これらの自然災害については、正確な周期ではないにせよ何年かに1度は襲ってくることを私たちは自覚しています。

昨年は日本でもPCR検査数の不足が問題になったことがありました。これは単に検査できる施設や機器が少なかっただけではなく、検査試薬の不足も少なからず影響していたと考えられます。また、PCR検査は迅速といっても結果は翌日以降に知らされることになります。このような検査試薬の不足や迅速性の問題から、コロナの検査で探知犬の活用が考えられています。

いま、新型コロナウイルスは世界中に感染拡大を続けています。2021年4月14日現在、世界では1億3千万人以上が感染しています。世界の感染者数は１月下旬をピークとして一旦減少に向かいましたが、２月の下旬から再び感染者数は増加しています。

今年も2020年の犬糸状虫感染期間と近年（2002～2019年）の犬糸状虫感染開始・終了の最早日と最遅日の期間を比較・検討しましたのでご紹介いたします。

重症熱性血小板減少症候群（Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome：SFTS）は、2011 年に中国で初めて認められた新興感染症で、国内では2013 年に初の人患者が確認された。現在までの発生は中国、韓国、日本およびベトナムで認められている。原因ウイルスは2018 年国際ウイルス分類委員会にてブニヤウイルス目フェヌイウイルス科バンヤンウイルス属フアイヤンシャン・バンヤンウイルスと命名された。本稿では旧名称であるSFTSウイルスと記載する。

一般社団法人ペットフード協会の調査報告によると、2017 年以降、猫の飼育頭数は犬の飼育頭数を上回り、今後もこの傾向は続くと捉えられています。猫は犬と比較して散歩をしなくても良いこと、マンション等の住宅環境でも鳴き声が気にならないこと、犬よりも飼育支出総額が低い傾向にあるといったような経済的な事情が要因として挙げられます。猫と暮らすことに対する飼い主の意識向上が影響して、狂犬病ワクチン接種や犬糸状虫症の予防の必要のある犬より来院頻度が低いと考えられていた猫においても、健康診断や外部寄生虫の予防、ワクチン接種のために動物病院に来院する頻度は高まっていると思われます。

「チェックマンCPV」、「チェックマンCDV」は、犬の主要な感染症である犬パルボウイルス感染症、犬ジステンパー の院内検査キットとして、長年ご愛顧いただいております。ワクチンの普及はもとより、飼育形態の変化や環境衛生 の向上に伴い、感染症の発生は減少傾向にありますが、特に犬パルボウイルス感染に関しては未だ繁殖施設等を中心 に散見される重篤な感染症であり、早期診断、治療が重要となります。