消化器/デンタル

当院受診約2ヶ月前より鮮血便・黒色便を認めるようになり、その後ふらつきも認めたため紹介医を受診し重度貧血(Hct 12.1%）を認めた。輸血および免疫抑制療法が実施されたが貧血は改善しないため貧血の原因精査を目的に東京大学附属動物医療センター(以下：当院)を紹介受診された。

歯周病は感染性の疾患であり予防が可能なため、多くの先生方が早期に治療を実施したいとお考えです。 しかし、来院時には既に重症化をしている、飼い主が麻酔下の処置に抵抗がある、ホームデンタルケアの継続が難しいといった様々な課題から予防歯科の実践には苦慮されていることと思います。 そのようなお悩みに対して少しでもお役に立ちたい、という思いから共立製薬では獣医歯科専門家による座談会を企画いたしました。

「歯周病へのアプローチ」と題しまして、鹿児島大学共同獣医学部付属動物病院で歯科・口腔外科の診療をされている高橋香先生に歯周病の診断から治療までを数回にわたり解説いただきます。 既に歯科診療に力を入れられている先生だけでなく、これから注力していきたいとお考えの先生方にもおすすめの内容となっております。

伴侶動物医療において急性下痢症は、遭遇する機会の多い消化器疾患である。急性下痢症には多くの原因があり、また様々な要因が関与することから、その原因が特定できない場合も少なからず存在する。そのような場合の治療としては対症療法を行うことになる。その治療選択肢としては経口の止瀉薬が挙げられるが、様々な理由により経口薬の投与が困難な症例も少なくない。 そこで本稿においては、急性下痢症の病態の概説に加え、注射用止瀉剤であるディアバスター®注の薬理作用および臨床的有効性と使用法について紹介する。

歯周病はその高い罹患率にも関わらず、診断が下されていないことが多い。それは獣医歯科教育が不十分なこともあるが、多くは臨床症状があらわれにくいことに起因すると考えられる。したがって、病態がかなり進んではじめて治療対象と認識されることが多く、無治療で放置されていることが多い疾患とも言える。抜歯しか選択 肢がないような状況まで歯周病を放置し、飼い主に「もっと早く治療していればよかった」という後悔をさせないために、獣医師は歯周病のステージングとそれぞれのステージにあった治療選択肢の提案ができるようにしておかなければならない。歯周病の治療は本来は抜歯ではなく、保存できる歯を良好な状態にして保存することである。 本項では、歯周病の治療というテーマで、抜歯が必要なほど進行した重度歯周病ではなく、その手前の段階の、歯の保存が可能な軽度～中程度の歯周病についての治療法について解説する。

「歯周病へのアプローチ」と題しまして、鹿児島大学共同獣医学部付属動物病院で歯科・口腔外科の診療をされている高橋香先生に歯周病の診断から治療までを数回にわたり解説いただきます。 既に歯科診療に力を入れられている先生だけでなく、これから注力していきたいとお考えの先生方にもおすすめの内容となっております。

口腔疾患と言えば、罹患率の高さから歯周病に遭遇する確率が高い。そして歯周病は口腔内の感染症であり、治療の介入がなければ自然治癒することはない。そのため歳を重ねるごとに重篤化し、高齢の動物の方が重度の歯周病になっていることも多い。