ダンプロンレポート - 慢性うっ血性心不全に併発した気管虚脱による発咳を呈した犬に対して、ダンプロンを使用し発咳の臨床症状が改善した4例 -
犬の僧帽弁閉鎖不全症は、ACVIM分類のステージB2以上になるとうっ血所見が認められ1)、とくに左心房拡張による気管支刺激や圧迫によって、発咳の臨床症状が明らかとなってくる。さらに、頚部気管虚脱や胸部気管支虚脱を併発する例では、発咳が持続的なものとなり、症状はより顕著なものとして認識される。慢性うっ血性心不全において、発咳は飼い主が気にする臨床症状の1つであり、犬にとっては活動性や食欲の低下、重度では睡眠障害まで引き起こすため2)、飼い主および犬のQOL維持・向上を目的とした発咳のコントロールは非常に重要である。