SAC法律相談WEB版 [第12回]「法律からみた往診」
飼い主の自宅などへ訪問して獣医療を行うことは、飼い主や動物にとって多くのメリットがあります。大型犬のように体重が重く通院のために移動させるのが大変である、自家用車などの移動手段がない、移動自体・環境の変化が動物自身のストレスになる、飼い主が多忙であるいは病気を抱えているまたは高齢であり通院できない、人ではないので救急車をよべない等の事情がある場合には往診はとても助けになると思われます。反面、訪問現場では、設備や薬品に限界があり十分な獣医療をほどこせない、獣医師が1人で往診している場合には愛玩動物看護師等の補助を受けられない、動物の確保・保定が難しい、訪問先で飼い主などとのトラブルが発生し、暴行・傷害行為を受ける危険性がある等のデメリットが考えられます。
今回は、獣医師の往診・訪問医療に関して、法的な側面から押さえておくべきところに触れてみます。