犬のクッシング症候群における内科治療の生存率への影響:システマティックレビューおよびメタ解析

犬のクッシング症候群における内科治療の生存率への影響:システマティックレビューおよびメタ解析

著者について

監訳:佐藤 雅彦(どうぶつの総合病院)

監訳:佐藤 雅彦(どうぶつの総合病院)

略歴

2005年 岩手大学農学部獣医学科卒業
2005-2007年 東京都内動物病院勤務
2007-2011年 東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻博士課程
2011-2012年 米国Fred Hutchinson Cancer Research Center研究員
2012-2013年 東京大学大学院農学生命科学研究科農学特定研究員
2013-2014年 コロラド州立大学大学院
2014-2018年 コロラド州立大学小動物内科レジデント修了
2018年-2020年 東京大学大学院農学生命科学研究科特任准教授
2020年-現在 どうぶつの総合病院 専門医療&救急センター内科主任

学位・称号・資格
獣医師, 博士(獣医学)
米国獣医内科学専門医(小動物内科)
アジア獣医内科学専門医(小動物内科)

クッシング症候群は、コルチゾールの過剰分泌が持続することを特徴とする、犬において一般的な内分泌疾患である。トリロスタン、ミトタン、ケトコナゾール、カベルゴリン、セレギリン、アミノグルテチミドなどの複数の薬剤が使用されるが、これらの薬剤が犬の生存期間にどの程度影響するかは明確ではない。本システマティックレビューおよびメタ解析では、上記の薬剤が自然発生性クッシング症候群に罹患している犬の生存期間に及ぼす影響を比較評価した。2024年9月1日から2025年1月3日までの期間においてMEDLINE、Embase、Web of Science、Academic Search CompleteおよびCochrane Libraryを包括的に検索した。クッシング症候群と診断された犬に対して上記薬剤のうち少なくとも1種類が使用され、生存期間が報告されている研究を適格とした。5つの研究(犬295例)がこの選択基準を満たし、その中で4つの研究からトリロスタンおよびミトタンについてメタ解析の実施に十分なデータが得られた。4つの研究を統合した平均生存期間の差は85.1日(95%CI:-255.9~85.7、p=0.21)となり、異質性が高かったため(I2=89%)、両薬剤間で統計学的有意差は示されなかった。