犬猫のうんちコラム [第12回] ディスバイオーシスを標的とした治療法:糞便微生物叢移植(Fecal Microbiota Transplantation: FMT)その5 ~アトピー性皮膚炎の犬に対するFMT~

犬猫のうんちコラム [第12回] ディスバイオーシスを標的とした治療法:糞便微生物叢移植(Fecal Microbiota Transplantation: FMT)その5 ~アトピー性皮膚炎の犬に対するFMT~

著者について

大森 啓太郎(東京農工大学)

大森 啓太郎(東京農工大学)

略歴

2007年10月-2012年3月 東京農工大学大学院共生科学技術研究院 助教
2012年4月-2020年5月 東京農工大学大学院農学研究院 講師
2019年 アジア獣医内科学専門医(内科)
2020年6月 東京農工大学大学院農学研究院 准教授
2024年8月 東京農工大学小金井動物救急医療センター 教授

はじめに

前回までは、筆者が取り組んできた犬の消化器疾患に対するFMTについてご紹介してきました。これまでのコラムでは、経口FMTや内視鏡下FMTなど、FMTに関するさまざまな試みや課題について触れてきました。これらはすべて、今回のテーマである「アトピー性皮膚炎の犬に対するFMT」への布石でした。今回は、筆者が実施してきたアトピー性皮膚炎の犬に対するFMTの効果と、その舞台裏についてお話ししたいと思います。